2023年10月17日に「ドクターズファイルさんから取材を受けました。


 

 

 

まずはこのエリアに開業したきっかけについて伺えますか?

住吉区は父の生家でもあり、私自身も子どもの頃によく遊びにきていたのでなじみのあるエリアでした。また、母が25年にわたり整形外科のクリニックを開業しており、長年地域の皆さまを支え続けた場所でもあります。ちょうど私も地域の中核病院である大阪急性期・総合医療センターで経験を積んだので、母が閉院するタイミングでこれまで築き上げてきた地域医療を引き継いでいきたいという思いで、泌尿器科を開業することを決意しました。

 

クリニックの内装にもこだわったそうですね?
母からクリニックを引き継いだ時には、築25年が経過していましたので、古い部分はリフォームしました。院内は患者さんがいつも気持ち良くゆったりと過ごせるように待合室を広げ、隣の方との間隔をきちんと空けて座れるよう椅子にもこだわっています。また、泌尿器科では尿検査が必要になることが多いので、トイレのスペースを広げ、常に清潔に保つことを心がけています。クリニックの待合室からも見えるように、庭に紅葉の木を2本植えてシンボルツリーとしています。お越しいただいた方の目印になることはもちろん、地域の方の癒やしになればいいなと思っています。

 

先生が泌尿器科を志したきっかけや開業前のご経験について伺えますか。
いろいろな科の中から一つ選択するにあたり、泌尿器科は診断から治療まで完結してできる診療科であるという点に魅力を感じました。扱う疾患も多彩で、頻尿・排尿障害といった尿のトラブルから膀胱炎を代表とする尿路感染、さらに尿路結石や悪性疾患の診断・治療と幅広いです。研修医時代は先輩たちが楽しそうに働いていたのも印象的でしたし、実際に勤務してみても泌尿器科の先生方は皆明るくて雰囲気がよかったです。今はこの科を選んで本当に良かったと感じています。開業前は大阪急性期・医療センターをはじめとした大阪大学医学部附属病院の関連施設にて、多くの泌尿器科の症例にあたってきました。ロボット手術や腹腔鏡手術、レーザー手術などの先端の医療から小児泌尿器科、婦人泌尿器科に至るまで幅広く研鑽を積んできております。

 

クリニックにはどういった患者さんが多くいらっしゃいますか。
総合病院の泌尿器科と比べると、年齢層は幅広いです。女性の場合は若い方ですと膀胱炎の患者さんが最も多く、ご高齢の方は頻尿や尿漏れのお悩みで来院される方もたくさんおられます。男性の場合は尿の勢いが弱い、頻尿といった前立腺肥大や過活動膀胱、慢性前立腺炎、性感染症の患者さんなどが来院されます。小さな男の子ですと、痛みや赤みなどのおちんちんのトラブルのご相談もあります。男女で共通した疾患としては血尿や尿路結石の患者さんが多いです。大きな病院から紹介されてくる前立腺がんや膀胱がん、その他の悪性腫瘍にも対応しています。意外かもしれませんが、男性の更年期障害のご相談もあります。元気が出ない、疲れやすい、勃起障害といった症状があり、なかなか良くならず当院へお越しいただくこともあります。

 

初診の流れについて教えてください。
まずは問診表にお悩みの症状を書いていただき、尿検査をします。泌尿器科ではほとんどの場合、検尿が必要になります。その後診察室でお話を伺い、必要であれば採血や超音波検査、尿路結石を見る腹部エックス線検査、痛みの少ない内視鏡を使って尿道から膀胱までを観察する膀胱鏡検査も相談しながら行います。軽度の膀胱炎であれば尿検査だけですぐに診断がつきますし、お薬で対処できることが多いですね。ご希望であれば、尿に含まれる細菌の培養検査もできます。

 

泌尿器科の受診に抵抗がある方に向けて、何か工夫されていることはありますか。
女性の場合は泌尿器科に来ること自体に抵抗がある方もいらっしゃいます。そういった方にはきちんと検査の説明をし、なるべく痛みや羞恥心に配慮した方法で診断を進めるようにしています。尿検査や超音波検査で診断がつくことも多いです。例えば、女性の頻尿の場合、まず尿検査をして膀胱炎がないかを確認し、その後に超音波検査で残尿がないことを確認します。その2つがなければ過活動膀胱のケースが多いです。残尿がある場合は、排尿を促す治療が必要になります。

 

先生が診療する上で大事にしていることがあれば教えてください。
「一人ひとりの患者さんと真摯に向き合う」ことを大事にしています。それは私だけでなくスタッフも同様です。患者さんの症状や特性に合わせて、さまざまな角度からアプローチすることを心がけています。最終的な目標は患者さんのもつ苦しみや不安を取り除くことです。そのために日々コミュニケーションを取りながら、根気よく熱意をもって患者さんと向き合っています。問診では、わかりやすく丁寧な説明をモットーに、もちろんプライバシーにも配慮し、個人情報は厳守しますのでご安心ください。泌尿器科はどうしても敷居が高いと感じる方も多いようですが、実際にお越しいただいた方からは、「アットホームなクリニックですね」と言っていただくことも多いです。

 

クリニックの今後の展望について伺えますか。
これまで行ってきたことは地道に継続しながら、今後はさらに近隣エリアの内科の先生との連携を強化していきたいと思っています。実際に、地域の内科の先生からの紹介で当院へお越しいただくことも多いです。専門的な治療が必要な場合は術後のアフターフォローも含めて当院で診療を継続できますので、お任せください。また、以前私が勤めていた大阪急性期・総合医療センターとも連携を取りながら、手術が必要な方はそちらに紹介させていただいております。大きな病院は待ち時間も長くなってしまうことが多いので、ご希望であれば手術が終わってからの検査や治療は当院で行うことも可能です。近隣エリアの内科や総合病院と連携しながら、地域の皆さんが安心して暮らしていけるようしっかりとサポートしていきたいと思っています。

 

最後に、読者へのメッセージをお願いします。


泌尿器科を初めて受診される時にはどうしても、「恥ずかしい、怖い」といったイメージをお持ちの方が多いかと思います。実際はお子さんから若い世代、高齢者に至るまで幅広い患者さんが来院されており、扱う疾患も多種多様です。問診と尿検査だけで診断がつく場合も多いですし、追加で検査が必要な場合は説明の上で、同意を得てから行っています。まずは悩んだら自己解決せずに、最初の一歩を踏み出してほしいです。実際にふらっと来た方が重い疾患だったということもあります。血尿で受診された方が「膀胱がん」だった、排尿障害のある方が「前立腺炎がん」だったなど、症状によっては大きな病気が隠れていることもあります。悪性腫瘍の初期症状や感染症を見逃さないためにも、早めの受診が大切です。どんな些細な症状でも結構ですので、心配事がありましたらぜひお気軽にご相談ください。スタッフ一同お待ちしております。

(引用元:ドクターズファイルさんからの取材記事)

ドクターズファイルさん、取材ありがとうございました!