「梅毒って何?」

「梅毒が心配・・・」

「梅毒の感染経路・症状・治療・予防法について知りたい」

という方に向けての記事になります。

梅毒

厚生労働省HPより引用

梅毒とは

  • 性行為により感染
  • 近年感染者数が急増している
  • 感染早期に抗生物質を正しく使えば治りやすい病気

 

では、詳しく説明していきます

 

梅毒とは?

「梅毒トレポネーマ」という病原体によって引き起こされる性行為感染症です。

国立感染症研究所ホームページより

近年患者数が急増しています。

梅毒は増加傾向

STOP!梅毒/性感染症学会リーフレットより引用

 

男性では20代~40代、女性では20代に多い病気です。

梅毒の男女差

STOP!梅毒/性感染症学会リーフレットより引用

 

検査や治療が遅れると、病気が進行して脳や心臓に重篤な合併症が生じる可能性があります。

妊娠さんが感染すると胎児にも感染して早産・死産・先天性梅毒になることがあります。

 

梅毒の感染経路

梅毒は性行為(SEX)によって感染します。

オーラルセックス(口腔性交)アナルセックス(肛門性交)によっても感染します。

  • 性器と性器
  • 性器と肛門
  • 性器と口腔

*口腔内に病変があるとキスでも感染することがあります。

 

梅毒の症状

梅毒1期(感染後数週間)

性行為をすることで「梅毒トレポネーマ」が性器、口腔、肛門などに侵入することにより潰瘍、赤み、傷のようなものができることがあります。約3~6週間の潜伏期間の後に発症します。

  • 陰部にしこりができる
    →初期硬結
  • 陰部に潰瘍、赤み、傷ができる
    →硬性下疳
  • 足の付け根にしこりができる
    →鼠径部リンパ節腫脹

梅毒初期の症状日本性感染症学会提供

痛みは伴わいことが多いです。

治療をしなくても自然に病変が消失することがありますが、知らぬうちに病変が進行している可能性があるので注意が必要です。

 

梅毒2期(感染後数カ月)

  • 全身の皮膚に赤い発疹が出現:バラ疹
  • 発熱や倦怠感、リンパ節の腫脹が出現

梅毒2期の症状(バラ疹)梅毒2期の症状

日本性感染症学会提供

痛みや痒みのない発疹が特徴的です。

こちらも時間とともに自然に消失しますが、病変は進行していきます。

 

梅毒3期(感染後数年)

  • 皮膚や筋肉、骨にゴムのような腫瘤ができて周囲の組織を破壊:ゴム腫
  • 心臓、脳、眼の障害をきたす

 

梅毒の検査

「医師による診察」「血液検査」により診断します。

 

「脂質抗原検査(RPR)」と「TP特異抗原検査(TP抗体)」の組み合わせで行います。

「症状の有無」「感染機会の有無」が重要となります。

 

梅毒の治療

梅毒の治療には抗生物質(ペニシリン系)の内服/注射が有効です。

梅毒初期は抗生物質による治療で95%以上が完治します。

A)抗生剤の内服治療の場合

梅毒1期では4週間の抗生物質の内服、梅毒2期では8週間の内服治療が必要です

 

  • アモキシシリン(サワシリン)1回500mg 1日3回

*抗生剤内服後~2日くらいで発熱することがありますが、数日で自然に解熱します。

 

B)抗生剤の筋肉治療の場合

早期梅毒(感染1年以内)では抗生剤の臀部への筋肉注射(1回)、後期梅毒(感染1年以降)では抗生剤の臀部への筋肉注射(3回)が必要です。

  • ペニシリン筋注製剤(ステルイズ)

*抗生剤の筋肉注射は2021年から日本で保険適応となりました。ただし、ペニシリンアレルギーがあると注射後しばらくして重篤な副作用(アナフィラキシー反応)が出ることがあるため注意が必要です。

 

ペニシリンにアレルギーがある場合はテトラサイクリン系の抗生剤を内服します。

  • ミノサイクリン1回100mg1日2回

 

梅毒の予防法

梅毒の予防にはコンドームが有効です(が、100%ではありません)

コンドームが覆っていない部位から感染することがあるからです。

キスやオーラルセックスなどの粘膜接触でも感染します。

不特定多数の方との性行為を避けることで感染リスクを下げることができます。

 

よくある質問

①梅毒は何科を受診すればよいですか?

男性では「泌尿器科」、女性では「婦人科」に受診してください

 

②梅毒に感染しました。日常生活で家族にうつることはありますか?

梅毒は粘膜と粘膜が接触する性行為によって感染します。握手や入浴などの日常生活でうつることは基本的にありませんのでご安心ください。

 

③パートナーに感染したことは伝えたほうがいいですか?

パートナーの方も感染している可能性があるので最寄りの医療機関でまずは検査を受けてもらいましょう。

 

④梅毒で抗生剤治療をしました。定期通院の必要はありますか?

内服終了後も1年間は定期的に血液検査をおこない、再発がないかチェックをすることが重要です。

 

⑤梅毒に感染して治療が終了しました。もう梅毒には感染しないですか?

梅毒に一度感染した方でも、梅毒感染者と性行為をすると再び感染します。

 

⑥梅毒にワクチンはありますか?

梅毒を予防するワクチンはありません。不特定多数の方との性行為を避けて、コンドームをつけるのが最も有効な予防方法となります。

 

⑦梅毒で死ぬことはありますか?

梅毒が進行して重症化すれば稀に死に至ることありますが、初期の段階でしっかり治療すれば完治する病気です。

 

まとめ

  • 梅毒は近年急激に患者数が増加している、性行為感染症です。
  • 様々な症状を呈することから、しばしば「偽装の達人」と表現されます。
  • 梅毒は感染初期に治療すれば完治することが出来るので、恥ずかしがらずに医療機関を受診しましょう。

 

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